【猫の健康】愛猫の成長と長生きのために!知っておきたい猫の栄養学

猫の栄養学 猫の健康
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小学生のころ、家庭科の授業で人間の栄養学は習ったことがあるかもしれません。
でも猫の栄養学は?

猫にはキャットフードだけ与えておけばいいんじゃないの?

たしかにそうかもしれません。
総合栄養食のキャットフードならば猫に必要な栄養素が全てバランスよく含まれています。

しかし、猫を飼っている身としてこの際健康と長生きのため猫の栄養学を学んでおきましょう。猫の情報を少しでも頭に入れて理解しておくことで、たとえば獣医さんの話などの理解度が高まるというメリットもあります。

私自身、2匹の猫のお世話をする身、責任感があります…。同じような猫飼いさんのお役に立てれば幸いです。
それではまいりましょう。

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猫に必要な六大栄養素

  • たんぱく質
  • 炭水化物
  • 脂肪
  • ビタミン
  • ミネラル

これらは人間にも必要な栄養素ですが、割合必須栄養素は動物ごとに異なります。細かく見ていきましょう。

「水」15%失うと生きることができない

水は生命維持において一番重要な栄養素と言えます。

例えば動物は体脂肪のほぼ全てとたんぱく質の半分を失っても生きることができますが水だけは違います。水分は15%失うと生きることができません。

健康な猫が必要とする1日の水の量体重1㎏あたり50ml(ウエットフードなどの量によって違ってきます)

飼い主はいつでも新鮮な水が飲める環境を猫に提供しましょう。1日に飲む量の把握をしておくことで異常に気づきやすいです。「いきなり飲む量が増えた」などの異変を見逃さないように。

猫は砂漠地帯出身のため水を再利用する力が優れており、水を少ししか飲まなくても生きていけると言われています。しかし水分摂取量が少なすぎると尿石症や膀胱炎の原因になりかねません。

管理人
管理人

私自身、猫に水を飲ませるための試行錯誤の経験が多々あります…。

関連記事>>>猫が水を飲まない!少しの工夫で飲んでくれます!その方法をご紹介。

「たんぱく質」猫にとって一番重要な栄養素!体を作る・維持する!

たんぱく質:アミノ酸がいくつも連なった高分子化合物のこと。
体の中ではたらくアミノ酸は約20種類ある。これらが任意の組み合わせで配列することで、

  • 皮膚
  • 筋肉
  • ホルモン
  • 抗体

などになる。

  • 猫は犬よりも多くのたんぱく質を必要とする
    子猫:30%以上
    成猫:26%以上
  • 妊婦。授乳期ややけど。外傷。がんなどがある場合はより多くのたんぱく質が必要
  • 犬とは異なるたんぱく質の量と質
【たんぱく質が多すぎると…】
  • 腎機能障害
  • 尿路結石症
  • 食物アレルギー
【たんぱく質が欠乏すると…】
  • 成長不良
  • 体重減少
  • 貧血
  • 被毛のぱさつき
  • 筋肉の衰え

猫の必須アミノ酸(11種類)

  • アルギニン
  • ヒスチジン
  • イソロイシン
  • ロイシン
  • リジン
  • メチオニン
  • フェニルアラニン
  • スレオニン
  • トリプトファン
  • バリン
  • タウリン

特にタウリンは重要!犬は体内で合成できるけど猫は外部からでしか摂取できません。

 

たんぱく質を多く含む食材である肉や魚にはリンが多く含まれています。リンの摂り過ぎは腎臓の負担となります。

関連記事>>>【猫のおやつ】煮干し・かつお節は控えよう。理由はミネラルが関係する!

関連記事>>>猫におやつは必要?おやつを与える際の注意と獣医さんオススメのおやつ。

「炭水化物」猫にとってそこまで重要ではない。過剰摂取に注意。

炭水化物には2種類あります。

  1. 糖質
  2. 繊維質

です。細かく見ていきましょう。

糖質 消化酵素によって分解される。 【働き】

  • エネルギー源になる
  • 他の栄養素の材料になる
  • (余ったら脂肪として蓄えられる)
繊維質 消化酵素によって分解されない。 【働き】

  • 腸内環境を整える
  • 水分を含んで便のかさとやわらかさを調節する
  • 血糖値の上昇を抑える
  • コレステロールの吸収を抑制する
  • エネルギー密度を低下させて肥満を予防する

 

  • 糖質は必須栄養素ではないが生命活動に必要なエネルギーを供給する栄養素
  • 肉食動物の猫は炭水化物が少なくてもたんぱく質が多ければ十分な血統レベルを維持できる
  • 大量の炭水化物を吸収しても利用しきれず肥満の元になる。

猫に甘いものはNG!

大量の糖質摂取は注意!炭水化物の摂取量はフード総量の35~40%

猫が大量の糖質を摂取すると

  • 消化不良
  • 高血糖症

などを起こす。

フードの総量の35~45%程度なら大丈夫。
消化吸収して猫のエネルギーとなる。

キャット―フードのパッケージには炭水化物の記載がありません。したがって、100-たんぱく質-脂質-繊維-灰分-水分で算出できます。およその炭水化物の量がわかります。

ピュリナワングレインフリーたんぱく質はどのくらいか確認してみました。】


ピュリナ ワン キャット グレインフリー チキン 1.6kg

【保証成分】
たんぱく質…35%以上
脂質…14%以上
粗繊維…2%以下
灰分…9%以下
水分…12%以下

炭水化物はおよそ28%ということになります。
大丈夫な範囲でした!
ピュリナワンは信頼しているメーカーなので大丈夫とは思っていたけど(^^;)

 

犬は甘さがわかるが猫にはわからない!
犬は雑食性でエネルギー源として糖分を多く利用するためです。
猫に関しては糖の味を感じる機能が退化しており、糖を利用する能力を持たないため猫は甘さが分からないそうです。

「脂肪」猫のエネルギー源!ただし摂り過ぎは肥満のもと!

脂肪とは…

  • 動物の体に10~40%ほど含まれる
  • 1日の必要量:成猫で9%以上
  • 脂溶性ビタミンの吸収を助ける。
  • 体内で合成できない必須脂肪酸(※)の供給源となる。(※体内で作ることのできない脂肪酸)
  • 運動量が多い時、妊娠・授乳中、効率の良いエネルギー源となる。
  • 脂肪が多すぎると肥満のもとに

脂肪は食物中では「中性脂肪」として存在しています。中性脂肪が消化酵素によって分解され、

  • グリセロール
  • 脂肪酸

として体内ではたらきます。

脂肪酸の働き

  • エネルギー源となる
  • 細胞の構成成分となる
  • 健康な皮膚、皮膚を保つ
  • ホルモン、酵素などを合成する

などの働きがある。

脂肪酸には飽和脂肪酸と、不飽和脂肪酸があります。
  • 飽和脂肪酸:固形で乳製品や肉などの動物性脂肪に多く含まれている。
  • 不飽和脂肪酸:常温では液状。植物油に多く含まれる。酸化しやすい!

必須脂肪酸とは

脂肪酸の中でも猫の体内で合成できないもの「必須脂肪酸」といいます。
必須脂肪酸は食事で摂取する必要があります。

猫の代表的な必須脂肪酸

  • リノール酸
  • α-リノレン酸(ALA)
  • アラキドン酸

これらは不飽和脂肪酸酸化しやすいです。
猫の総合栄養食にはこれらが含まれています。
よってドライフードは酸化を進める光や高温多湿を避けて保存しましょう。

必須脂肪酸が欠乏すると…】
  • 脱毛
  • 被毛のツヤがなくなる
  • 傷が治りにくい
  • 湿生皮膚炎
  • 生殖機能の低下

「ミネラル」バランスが大事!

体の中に含まれる元素のうち、燃やすと気体となる、

  • 炭素
  • 水素
  • 酸素
  • 窒素

を除いたもの。

灰となって残るのがミネラル。そのためキャットフードの裏側の成分標示には「灰分」とある。

非常にバランスが大事な栄養素で、過剰や不足がほかのミネラルのはたらきにも影響してしまう!

主なミネラルの働き

機能 ミネラル
骨格構造 カルシウム
リン
マグネシウム
酸性・アルカリ性や体液の濃さのバランスの制御 カリウム
ナトリウム
塩素
細胞の働き 微量ミネラルの全て
神経伝導 カリウム
マグネシウム
筋収縮 カルシウム
マグネシウム
カリウム

 

カルシウムリンは骨や歯の構成成分であるのと同時に血液や体液の中にもバランスよく存在している。
もしバランスが崩れてカルシウムの割合が小さくなるとバランスを戻すために骨のカルシウムが使われ骨密度が低下する!

ミネラルの推奨量(成猫)

【多量ミネラル】

  • カルシウム:0.6%以上
  • リン:0.5%以上
  • ナトリウム:0.2%以上
  • カリウム:0.6%以上
  • 塩素:0.3%以上
  • マグネシウム:0.04%以上

 

【微量ミネラル(1㎏あたりの推奨量)】

  • 鉄:80㎎/㎏以上
  • 亜鉛:75㎎/㎏以上
  • 銅:5㎎/㎏以上
  • セレン:0.3㎎/㎏以上
  • マンガン:7.6㎎/㎏以上
  • ヨウ素:0.6~9㎎/㎏以上

微量ミネラルの働きと欠乏症

微量ミネラル 機能 欠乏症
ミオグロビンの構成成分
(ミオグロビンとは赤血球で酸素や二酸化炭などを受け渡すヘモグロビンや筋肉内で酸素を蓄える)
貧血
組織の低酸素状態
鉄の代謝に関与 貧血
食欲不振
成長低下
亜鉛 多数の酵素の構成成分
遺伝情報やたんぱく質代謝に関与
皮膚障害
性機能低下
発育障害
免疫機能不全
ヨウ素

 

甲状腺ホルモンの構成成分 成長抑制
繁殖障害
甲状腺腫
マンガン

 

 

軟骨形成
糖質以外から糖を作り出すはたらき
生殖機能に関与
成長不良
繁殖障害
セレン

 

抗酸化作用 骨格筋
心筋の変性
浮腫
成長低下
食欲不振
コバルト

 

ビタミンB12の構成成分 貧血
食欲不振
成長低下
クロム 糖が体に備蓄され適切な量ずつエネルギーとしてつかわれる(糖代謝) 成長不良
繁殖障害
血糖値を正常に保つ機能の低下

「ビタミン」必須栄養素だが脂溶性ビタミンの過剰摂取は注意。

ビタミンとは…

  • 体の構成成分やエネルギー源にはならない。
  • たんぱく質、脂質が体を作り、エネルギーになるのを助ける役割。
  • 微量でも体の機能や代謝を円滑にする働きをする有機化合物。
  • 脂溶性ビタミンに関しては過剰摂取を気を付ける。

ビタミンには水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンがある

水溶性ビタミン
  • 尿に溶けて体内から失われやすい
  • 毎日の必要量を摂取する必要がある
脂溶性ビタミン
  • 体内に蓄えられる
  • 過剰摂取に気を付けること
管理人
管理人

脂溶性ビタミンのサプリメントの与えすぎに注意。

水溶性ビタミンのはたらき

  • ビタミンB複合体
  • チアミン(B1)
  • リボフラミン(B2)
  • パントテン酸
  • ナイアシン
  • ピリドキシン(B6)
  • 葉酸
  • コバラミン(B12)
  • コリン
  • ビオチン

【これらの働きは…】

  • 全体で酸素を成分として作用
  • 代謝過程での酵素の働きを助ける物質として作用(補酵素)

【欠乏の要因】
チアミン:貝類・イカ・タコなどに含まれるチアミナーゼ(チアミンを分解する酵素)によって欠乏症を起こすことがある。

  • 食欲不振
  • 成長不良
  • けいれん
  • 神経障害

関連記事>>>【危険な食べ物】猫がイカを食べた!病院へ行くべき?危険性は?食べた後の対処方法は?

ビオチン:生の卵白にはビオチンと結合するアビジンが含まれ、これを与えるとビオチン欠乏症が生じる。

  • 皮膚炎
  • 脱毛

ビタミンCの働きは…】

  • 犬猫には推奨量は定められていない
  • コラーゲンの合成に深く関与
  • 白血球の刺激
  • 抗酸化成分のビタミンEの再生
  • 免疫機能に重要な役割を果たす

【欠乏の要因】
健康な猫や犬は体内でブドウ糖から合成できるので欠乏症は起きない。

羨ましいなあ…

脂溶性ビタミンのはたらき

ビタミンA(レチノール)

  • 正常な視覚
  • 健康な被毛・皮膚・粘膜・歯をつくる

【欠乏症の要因】
猫はカロテンをもとに体内で作ることができないため、食物から摂取する必要がある。

過剰摂取すると…

  • 痛みを伴う骨疾患、肝臓障害、中毒症が出ることがある。
  • サプリメントの使用には注意

ビタミンD

  • カルシウムリンを腸から吸収しやすくする
  • 骨や歯の形成を助ける

【欠乏症の要因】

  • 欠乏はまれ
  • 若齢の場合はくる病
  • 成猫の場合は骨軟化症

過剰摂取すると…
高カルシウム血症の原因となる

ビタミンE

  • 細胞膜の健全性を保つ
  • 強力な生体内抗酸化成分としてはたらく

【欠乏症の要因】

  • 黄色脂肪症の原因となる
  • 心臓や筋肉にダメージをあたえたりする

過剰摂取すると…
毒性が低いため、過剰症はほとんどみられない。

ビタミンK

  • 腸内細菌によって合成される
  • 凝血因子の形成を調整する

【欠乏症の要因】

  • 腸内の栄養の吸収不良を伴う疾患
  • 血液を固まらせない作用のある薬物の使用によってけ欠乏する場合がある
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まとめ

  • 「水」 15%失うと生きることができない!
  • 「たんぱく質」 猫にとって一番重要な栄養素!体を作る・維持する!
  • 「炭水化物」 猫にとってそこまで重要ではない。過剰摂取に注意。
  • 「脂肪」 猫のエネルギー源!ただし摂り過ぎは肥満のもと!
  • 「ミネラル」 バランスが大事!多すぎても少なすぎてもいけない。
  • ビタミン」 必須栄養素だが脂溶性ビタミンの過剰摂取は注意。

飼い猫は自分で食べ物を選べないので飼い主がしっかりした栄養を管理するしかありません。

今回の記事内容は少し専門的な内容で拒絶反応が出た方もいるかもしれません(私です)しかし、猫を飼う上で知っておくべき知識です。ぜひ今回の記事で興味を持ってもらえたらと思います。

 

マロちゃん
マロちゃん

たよりにしてるよ~

【参考文献】



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