猫にひっかかれた時の応急処置と知っておきたい人獣共通感染症

猫のひっかき傷の応急処置
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猫にひっかかれたどうすればいい!!??

猫にひっかかれたり咬まれたりしたあとは「もし化膿したら?」と思うと焦ります。

猫にひっかかれた後どはのような処置をすればいいのでしょうか!?

結論としては基本的にはこの順で素早く行います。冷静に慌てずに!▼

  1. 咬まれたりひっかかれた部分を水で洗いましょう
  2. 消毒
  3. 止血(傷口を圧迫する)

病院で見てもらう場合は皮膚科や外科系の病院へ行きましょう。

今回の内容はこちら▼

  • 猫にひっかかれたときの応急処置の方法
  • 猫にひっかかれたことによる感染症
  • ひどい場合病院で見てもらう場合何科へ行けばいい?
    受診先はどこ?
  • ほか犬猫から人間に感染する病気(人獣共通感染症)はどんなものがある?

それではまいりましょう。

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猫に引っ掻かれた後の処置は?

転嫁攻撃 怪我

【傷口が浅い場合】

  1. ひっかかれた部分を水洗いする。
    (血が出ていなくても)
  2. 石鹸で傷口を洗うor毒液で消毒
    (など方法がいくつかありました)
  3. 傷口を止血します
    新しいガーゼなどを当て圧迫してください。
  4. 病院へ行く

【傷が深い場合・出血が多い場合】

  1. ひっかかれた部分を水洗いする
    (血が出ていなくても)
  2. 石鹸で傷口を洗うor毒液で消毒
    (など方法がいくつかありました…)
  3. 止血
    ガーゼなどで傷口を圧迫する際強めにする
  4. 手足に出血口がある場合は心臓よりも高い位置にあげる
  5. 傷口を圧迫しながら病院へ
    出来るだけ早めの受診をお勧めします
    (6~8時間以内)
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傷を病院で診てもらう場合は外科系へ!

  • 整形外科
  • 形成外科
  • 皮膚科

など外科系の病院へ行きましょう。

頭や顔などの怪我の場合は以下の科が適切です。▼

  • 形成外科
  • 口腔外科
  • 耳鼻咽喉科

形成外科は、生まれながらの異常や、病気や怪我などによってできた体の表面上の見た目の改善を目的とした治療をすることを得意としている科です。そのほか、やけど、怪我や手術後の皮膚の傷跡・顔面骨折の治療なども治療の範疇です。

そのため切り傷の場合、頭や顔の外傷は形成外科を、それ以外の場所の外傷は整形外科を受診しましょう。

引用:切り傷ができたら何科に行けばいいの?病院に行く目安も解説

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ひっかき・咬まれたことで起こる病気

健康管理 獣医

猫ひっかき病(バルトネラ症)

【原因】
バルトネラ菌が原因

【人間への感染経路と症状】
猫にひっかかれたり咬みつかれて数日~2週間ほど経ってから傷口付近のリンパ節が痛みを伴い腫れる。
数週間から数か月続くこともある。

▼他の症状はこちら

  • 発熱
  • 倦怠感
  • 食欲不振
  • 吐き気
  • 関節痛

など

【治療】

リンパ節の腫れは数週間~数か月続くこともあるが自然に治まる
しかし、ごくたまに全身に広がる場合も。

病院での治療は抗生物質の投与がされる。

【予防方法】

  • 傷のある手で猫を触らない
  • 猫の爪を切る

【猫の症状】
なし

パスツレラ症

【原因】
猫の口の中や爪に存在するパスツレラという細菌が原因

【人間への感染経路】

  • 猫のひっかきや咬みつきによって引き起こされる
  • 猫に鼻口を舐めさせる
  • 飛沫感染による呼吸感染
    など

【症状】

  • 患部が赤く腫れる
  • 傷が深い場合は激痛をともなって化膿する
  • 呼吸器感染の場合は風邪の症状が出る
  • 重症化すると骨髄炎、髄膜炎となり死亡例もある

【治療】
初期段階なら抗生物質の投与で回復する

【予防方法】

過度な動物との接触は避ける
(口移しで食べ物を与える、など)

特に持病や、糖尿病、慢性の肝障害を患っている方は注意。

【猫の症状】
パスツレラ菌は猫の口の中に常に存在します。無症状が多いですがごくたまに肺炎のような症状が見られる場合も。
猫の治療方法は抗生物質を投与。

破傷風

【原因】破傷風菌が原因

破傷風菌は土の中に存在します。

【人間への感染経路】
猫や犬などが破傷風菌のいる土を舐めたり引っ掻いたりすることで菌が付きます。その口や爪で飼い主を咬んだり引っ掻いたりすることで破傷風に感染することがあります。

破傷風菌は酸素に弱いです。
表面だけの浅い傷ならそこまで心配はいらないですが深い傷の場合は注意が必要です。

【症状】

  • 傷口が赤く腫れる
  • 痛みを伴う筋肉のけいれん
  • 全身のひきつけ

など

【治療】
破傷風のワクチンの接種

(※日本人は幼少期にワクチン接種は済んでいますが年を取るほどに弱まっていきます)

【予防方法】

  • 猫の爪を切る
  • 猫にひっかかれないようにする、咬まれないようにする
  • 猫や犬を散歩させた後は足を拭く

など

トキソプラズマ症

【原因】
トキソプラズマ原虫という寄生虫が原因。猫への感染経路は感染しているネズミや猫の便からなる。

【猫から人間への感染経路】

  • 感染した猫の便を触った手で食事をしたときに口から感染
  • 鼻や傷口からの感染の例もある

【症状】

  • 感染しても症状が出ないor発熱、リンパ節が腫れる程度
  • 免疫機能が低下している場合は肺炎、脳炎などを起こす場合もある
  • 一度感染すると抗体ができるため再感染はしない

特に注意したい妊婦さん

特に妊婦さんはトキソプラズマ症に気を付けましょう。
胎盤を通じて胎児に感染した場合は網脈絡膜炎、水頭症、精神運動障害、流産になる可能性があります。

しかし妊婦になったから今まで飼っていた猫を手放すなど言語道断。
適切な検査や予防法を実施することで妊婦さんと猫は安全に暮らすことができます。

母子感染の可能性は低い

妊娠中に初めてトキソプラズマ症に感染した場合、胎盤を通じて赤ちゃんに母子感染する割合は約30%といわれています。

ただし、赤ちゃんに感染しても、先天性トキソプラズマ症を必ず発症するわけではありません。赤ちゃんに症状が出る確率は約10~15%程度といわれています。

妊婦さん全体で先天性トキソプラズマ症に感染する人の割合は、0.13%程度です。そのうちの約10~15%が赤ちゃんに感染することを考えると、母子感染のリスクはそれほど高くないことが分かります。

母子感染を防ぐ治療薬もあるので過度に心配せず、日常生活で予防を心掛けていきましょう。

育児と乳歯の情報サイトより

【治療】

  • 抗生物質の投与

しかしトキソプラズマ症は猫から人間への感染率は極めて低いと言われているようです。それよりも注意したいのは加熱が不十分な豚肉です。こちらの方が感染率が高いと言われています。

豚肉はよく火を通して調理しましょう。
豚肉を切った包丁まな板の消毒もしましょう。

【予防方法】

  • 猫の便を掃除した後は必ず手を洗うなど心がけを徹底
  • 猫のトイレ掃除をした後などは必ず手を洗ったり消毒を
  • 豚肉の調理には注意を払う

【猫の症状】
特に症状は無し。
まれに下痢、貧血 呼吸困難、黄疸などの症状あり。

【猫への感染経路】
トキソプラズマ症に感染しているネズミや猫の便から感染する。

Q熱

【原因】
コクシエラという病原体が原因

【人間への感染経路】
感染した動物の糞尿、胎盤、羊水に病原体が含まれる。これらを含む砂塵を吸い込んだりすると感染する。

病原体を持った牛から作った乳製品からも感染する。

【症状】

  • インフルエンザの症状と似ている
    (発熱・頭痛・悪寒)
  • 肺炎や肝炎、髄膜炎をおこすこともある

※治療が遅れることで死亡する場合も

病院で診てもらう際は猫を飼っていることを告げましょう。
風邪や自律神経失調症などに誤診されることも。

【治療】
抗生物質の投与

【予防方法】
胎盤や羊水には多量の菌が存在するため、猫の分娩に立ち会う際にはゴム手袋を着用しましょう。

【猫の症状】

  • 軽い発熱か無症状
  • 妊娠している猫は死産、流産を引き起こす可能性もある

犬猫回虫

【原因】
イヌ小回虫、ネコ回虫

【人間への感染経路】
回虫のいる便を触った手で口を触ったり食べ物を食べることで人間が回虫の卵を飲み込むことで感染。

【症状】

回虫は人間の体の中では成虫に成長できないが、幼虫のままでも以下の症状が出る。▼

  • 肝臓、目に寄生
  • 発熱
  • 好酸球増加
  • 視力障害

【治療】

  • 駆虫剤の服用
    治療しなくても回虫が死滅する場合がある
  • 肝臓、目に症状が出ている場合はその治療も行う

【予防方法】

【猫の症状】

  • 痩せて下痢が続く
  • 子猫の場合は発育障害を起こす
  • 嘔吐、脱水症状、貧血

治療は駆除剤を投与。

回虫の卵の駆除の方法は熱湯や高温にさらすこと。猫の寝具は熱湯消毒すると良い。

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まとめ

猫のひっかき、咬み傷には注意!
感染症になる場合もある!

▼以下の点を気を付けて予防しましょう▼

  • 普段からの過激なスキンシップは控える
    (口移しで食べ物を与える…など)
  • 完全室内飼いを徹底する
  • 定期的にノミの駆除をする
  • 毎回のワクチン接種をする
  • 爪切りをする
  • 猫を触ったりトイレ掃除をした後は手を洗う、消毒する
  • 飼育環境を常に清潔にする
  • しつけをする

正しい知識を付けておけば人獣共通感染症について必要以上に怖がることはありません。

また免疫力によっても感染による症状の度合いが違ってきます。日ごろから免疫力の強化についても心掛けていきましょう。

 

▼免疫力強化については以下の記事も参考にしてみてください▼

【冬の養生】冷え乾燥対策!血行促進・免疫力アップの方法を解説!

 

【参考記事】
深津動物病院「人の応急処置」

ねこのきもち

【参考文献】
明解!にゃんにゃんクリニック―ネコの暮らしと健康百科

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