「奇々怪々!迷信探偵ファイル」という番組で「犬を飼ってはいけない村」というセンセーショナルな内容を目にしました。
その村の名前は奈良県吉野町、さらに言えばその村の中の窪垣内集落(クボガイトシュウラク)という場所です。
祟りだとか謂れだとか番組冒頭では気味の悪い空気がありつつも結論としては、
- 古くからの伝説があるから
- 心理的効果(虫退治技法)もあるのでは?
というように落ち着いていました。
今回は「犬を飼ってはいけない村」を深掘りしていきます。
犬を飼うとどうなる?
▼犬を飼っていたら起こるわざわいの例。
- 村内で犬を飼っていたら犬がすぐ死んで飼い主にも不幸が起こった
- 数十年後にその地域でいぬをかっていた人が水難事故にあう
- 火災
- 大黒柱が若死ぬ
などと語り継がれてきようです。
シンプルにコワイからー!
なぜ犬を飼ってはいけない?理由は?
▼犬、こんなにかわいいのに…。
犬を飼ってはいけないとはどういうことなのでしょう?
犬好きは絶対住みたくない村ですね…。
理由を探ってみます。
壬申の乱と悲しい犬のお話
壬申の乱とはざっくり言うと皇室内の後継者争い。
次の天皇は誰だ?っていうやつ。
構図としては崩御した天智天皇の嫡男「大友皇子」VS天智天皇の弟「大海人皇子」
結果として大海人皇子が勝利し天武天皇となりました。
以上の経緯を頭に入れたうえで犬と関係するお話はこちら。▼
大海人皇子(のちの天武天皇)が窪垣内に逃げ込んだとき、集落の村人は陸上のひっくり返した船の中で皇子をかくまいます。
しかし犬がにおいを嗅ぎつけ吠えたてます。
そこで皇子の命を救うため村人が石で犬を殺してしまいました。
(諸説あり)
この言い伝えから村では犬を飼わないことになったのだとか。
番組内では犬を殺した石を祭ってある場所にも訪れていました。
しかしこれを見せられたところで何を思えば…。
【心理学で解明】犬を飼ってはいけない理由
「虫退治技法」と機能が似ているとの考えも。
というように、具体化・外在化して共有します。
お母さんが子供に「痛いの痛いの飛んでいけ~」も外在化の良い例です。
痛みと子供を切り離し、外に出す、つまり痛みを外在化しています。
「虫退治技法」をすることによって「犬を飼う行為をやらなければ大丈夫」という共通認識と連帯感が集落全体に生まれます。
「皆が守っているから安心」連帯することで不安を解消しているのでは?
という考えです。
これは納得できる考え。
日本だから特にね…。
紙すきが盛んな地域⇒火災は絶対NG
集落の産業は「紙すき」です。(紙すき…伝統的な製紙法のこと)
大海人皇子から伝わりました。
紙の天敵と言えば火災。
一軒が火災になると連なって大火事なり商品が全てダメになります。
狭い集落では火事を犬のせいにすること(スケープゴート)によって村のコミュニティーが守られるのでは?との推測も。
異常なほど犬を避ける集落
「犬を飼わない」以外にも集落には徹底して犬を避けるような光景が見られました。
集落には徹底的に犬がいない!狛犬さえも
窪垣内の神社2つ(御霊神社・八王子神社)には狛犬がいません。
そうなると玄関などにある陶器の犬の置物なんかもダメなんだろうな…。
集落の住人は犬を恐れる!?
犬の動画を見せて犬を飼ってはいけない集落の住人を怖がらせるシーンがありました。
が、あくまでも番組の演出でしょう。
すごい形相で吠えまくる犬の映像でしたから…。
猫は飼ってもいい
集落の人たちにインタビューをするシーンがありましたが、あるお宅では猫を飼っていました。
ああ、猫はいいんだ…
と思いました。ちょっと不謹慎かもしれませんが何だか可笑しかった。
他にもある!犬を飼ってはいけない地域
佐賀県唐津市鎮西町の加唐(かから)島という島も犬を飼ってはいけない決まり、風習?があります。
なぜなのか、その理由は明らかになっていないようです…。
まとめ
- 犬を飼っていけない村は奈良県吉野町、さらに言えばその村の中の窪垣内集落
- 犬を飼うとどうなる?
水害・火災などの不幸が起こる。 - 理由は?
大海人皇子と犬の言い伝えがあるから。
同時に虫退治技法による機能も果たしているのかもしれません。
※犬を飼ってはいけない村についてはほかのテレビ番組(ナニコレ珍百景)でも特集されていたようです。
※間違いあったらすいません。